概要・特色および診療方針
脳の健康を守る
脳は成長期を過ぎると年々老化していきます。また、脳の病気により後遺症が残ると、生活の質は低下し、家族にも介護などの大きな負担がかかります。生涯、健康な脳で生活することは極めて大切です。脳の病気を疑う際には直ちに精密検査を行い、遅滞なく適切な治療を行うために、私たち脳神経外科は急性期から慢性期まで切れ目のない(シームレスな)診療を行うシステムを備えております。
脳神経外科治療の概略
脳神経外科治療の対象となる病変は、脳、脊髄、末梢神経と多岐にわたりますが、当院では主に脳血管障害(脳卒中)、脳腫瘍、頭部外傷、さらに頭痛や物忘れなどが対象となります。また、脳ドックや検診で発見された無症状の病変も対象となることがあります。必要に応じて、それらの治療や経過観察を行い、脳疾患の予防的診療にも重点を置いています。
安全で確実な脳神経外科手術のために

専門職種や他の診療科、地域医療施設との診療連携

脳血管内治療について
当院では従来から行われている開頭手術(切る手術)だけでなく、カテーテルを用いて治療を行う脳血管内治療も行っております。開頭手術と比較して小さな創(足の付け根や手首のに数ミリの創)で治療することから、体に負担の少ない治療であるとされます。この小さな創口から、頭頚部までカテーテルを誘導して、様々な疾患に対して治療を行います。局所麻酔で治療を行うこともありますが、多くの場合は全身麻酔が必要となります。当施設は日本脳神経血管内治療学会の研修施設に認定されており、学会認定指導医、専門医を中心として治療を行っております。2024年4月からは脳卒中に対する集学的治療を行う施設として、一次脳卒中センターコア施設(PSCコア)に認定されております。以下に脳卒中センターで主に扱う代表的疾患をお示しします。
より高度な医療のための診療連携について
当院は日本脳神経外科学会により神戸大学医学部脳神経外科を基幹施設とする専門医研修プログラム関連施設に認定されており、診療連携を行っております。より高度な医療技術を要するご病気に対しては、地域連携室を介して適切にご紹介を差し上げるシステムを設けておりますので、遠慮なくご相談ください。
主要な疾患
脳血管障害(脳卒中)
- 閉塞性脳血管障害(脳梗塞)
- 出血性脳血管障害(脳内出血/くも膜下出血)
- 無症候性脳血管障害
脳腫瘍
- 髄膜腫
- 神経膠腫
- 下垂体腺腫
- 神経鞘腫
頭部外傷
- 脳挫傷
- 急性および慢性硬膜下血腫
- 急性硬膜外血腫
機能的脳神経疾患(疼痛、てんかん、認知症など)
- 三叉神経痛/片側顔面けいれん
- てんかん
- (特発性)正常圧水頭症
各疾患の詳細は日本脳神経外科学会ホームページでもご覧になれます。
脳神経外科疾患情報ページ