一般診療
子どものことならなんでもどうぞ。小児科は子どもの総合診療科です。
小さな子どもはよく熱を出したり、すぐに風邪をひいたりします。軽い風邪かもしれないけど何か心配、なかなか症状がおさまらないなど、少しでも不安に思われるときには気軽に受診されることをお勧めします。当院では複数の小児科専門医がそれぞれの専門性を持ちながら、一般外来で診療しています。
アレルギー疾患
小児のアレルギー専門医による診療
子どもが成長するにつれてアレルギー疾患は変化していきます。乳児期にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーを発症し、幼児期になると気管支喘息、学童期にはアレルギー性鼻炎というふうに疾患が移り変わります。これをアレルギーマーチといいます。また、それぞれの疾患が関連しており、複雑に変化するため、子どもの総合診療科である小児科にご相談ください。当院では日本アレルギー学会の専門医が3人常勤しており、アレルギー外来で診察しています。かかりつけの先生にアレルギーの疑いがあるといわれた、食べ物を食べた後で症状が出たなどの場合は、当院小児科外来にご相談ください。
食物アレルギー
たまご、牛乳、小麦、ピーナッツなどを食べることでアレルギー症状をおこす食物アレルギーは増加傾向にあるといわれています。いったん発症すると、日常生活での食事の制限、誤食のリスクなど子どもや家族にとって負担が非常に大きい病気です。当院では「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去」をめざしています。食物アレルギーの正しい診断には、原因と考えられる食品を実際に食べてみる食物負荷試験が必要不可欠です。食品を食べてアレルギー反応が起こるリスクがあるため、当院では主に日帰り入院(場合により1泊入院)で食物負荷試験を行っており、病棟ではすぐそばにアレルギー専門医と看護師が付き添うようにして、症状の出現に備えています。だいたい年間200例の負荷試験を実施しています。
気管支喘息
気管支喘息はダニやウイルス感染、運動などにより気管支の平滑筋が収縮し「ゼーゼー・ヒューヒュー」といった喘鳴を呈する疾患です。治療には急性発作を抑える治療と、発作を起こさないように予防する長期管理があります。喘息の治療には吸入薬など特殊なものもあり、病気や治療のやり方を十分に知ってもらうことが大切です。当院ではアレルギー専門医とアレルギーの知識・経験が豊富な看護師が、丁寧で分かりやすい説明をして治療を効果的なものにするようにしています。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は食物アレルギーとの深いかかわりがあり、最近では「経皮感作」がトピックスになっています。これはアトピー性皮膚炎などの炎症のある皮膚に微量の食物が付着することで、食物アレルギーが成立してしまうことです。その予防には免疫が発展途上の乳幼児期のスキンケアが特に大切といわれています。当院ではスキンケアについても実際に保湿剤や外用剤を塗りながら指導を行います。
アレルギー性鼻炎・結膜炎
アレルギー性鼻炎・結膜炎は花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎と、一年中いつでも症状のある通年性アレルギー性鼻炎があります。通常は症状を抑えるために、抗ヒスタミン剤の内服や点眼などを行います。花粉症はスギ花粉が多く、通年性はダニが原因となることが多いので、最近ではスギ花粉やダニに対する免疫療法が注目されています。これは、アレルゲンを定期的に摂取することで体がそのアレルゲンに慣れていくという治療です。当科(甲南医療センターの小児科)では舌下免疫療法といわれる、口の中にアレルゲンを入れる治療を行っています。
神経疾患
熱性けいれん、てんかんなどの発作性疾患、頭痛、先天異常などの疾患を中心に神経外来で診療しています。血液検査、脳波検査、頭部CT、頭部MRI/MRA/MRS検査などを実施し、診断と治療、フォローアップを行っています。
子どもの頭痛(小児科頭痛外来のご案内)はこちら
感染症
呼吸器感染症(肺炎・気管支炎・クループ・百日咳など)・消化管感染症(ウイルス性胃腸炎・細菌性腸炎など)・腎泌尿器感染症(急性腎盂腎炎など)・脳神経感染症(髄膜炎など)・その他(蜂窩織炎・ウイルス性発疹症など)の急性疾患に対し、必要に応じて 血液検査・尿検査・髄液検査・超音波検査・心電図・画像検査(レントゲン・CT・MRIなど)を行い、抗生剤の適正使用に留意して治療します。
内分泌・代謝疾患
低身長・思春期早発症・糖尿病・肥満・甲状腺機能異常などに対して、血液検査・尿検査・負荷試験・画像検査(レントゲン・超音波・CT・MRIなど)で診断し治療します。診断確定後は必要に応じて専門機関と連携しながら治療します。成長ホルモン分泌不全性低身長症などの診断に必要な負荷試験は1泊2日の入院で行い、適応があれば成長ホルモン補充療法を行います。
乳幼児健診・予防接種
病気の予防、異常の早期発見などは子どもにとって大きなメリットがあります。小児科医にとっても大事な仕事なので予約制で時間をかけて丁寧に行います。また、健康な子どもが感染性のある急性疾患の子どもたちとできるだけ接触しないように、午後の時間に予約枠を設けました。
小学校入学前の三種混合ワクチン追加接種(自費)受け付けています!
小学生の百日咳が増えています。百日咳ワクチンは、0歳・1歳で接種する四種混合ワクチンに含まれます。しかし、ワクチンを受けていても5歳頃には百日咳にかかりやすくなっています。お子さんと赤ちゃんを守るため、小学校入学前に三種混合ワクチンを接種しましょう!三種混合ワクチンは自費接種になります。予約制ですので、接種ご希望の方は、病院までお問い合わせください。
※日本脳炎ワクチンについて※
日本脳炎ワクチン供給不足のため1期初回(1回目・2回目)の方を優先して接種していましたが、供給が再開され、継続的な供給が見込まれることとなったため、接種をお待ち頂いていた1期追加および2期の接種対象者も接種可能となりました。接種希望の方は小児科外来へお申し込みください。
循環器疾患
心臓など循環器の病気には、生まれつき心臓の壁に隙間がみられる心室中隔欠損症や、血管や弁の部分が狭くなっている肺動脈弁狭窄症、動悸や失神の原因にもなる不整脈など、さまざまなものがあります。生まれてすぐに診断されるものや、学校健診で指摘されるものなど、みつかる時期もさまざまです。心雑音や不整脈が見つかった場合、心臓超音波(エコー)検査や心電図検査などで診断をすすめていきます。
小児科では毎月第4金曜日午後(祝日等により変動あり)に、兵庫県立尼崎総合医療センター小児循環器内科の医師による循環器外来を行っています。カテーテル検査や手術が必要と判断される場合には、小児循環器の専門医療機関と連携して診療を行なっていきます。
また、川崎病にかかった後のフォローアップや心雑音のスクリーニングのための心臓超音波検査は、当院の臨床検査技師・小児科医が毎月第1・第3水曜日午後にも行っています。
いずれも完全予約制となっておりますので、受診希望の方は平日午前の小児科一般外来を受診してください。