ご挨拶
甲南医療センター中央放射線部では、X線撮影・X線CT・磁気共鳴画像検査(MRI)・血管造影検査(IVR)・核医学検査(RI)などの各種検査を医師の指示の下、目的に応じて診療放射線技師が行っています。
理念
患者様に優しく安全な検査の実施と正確かつ迅速な情報の提供
歴史ある甲南病院は、この10月に六甲アイランド甲南病院と統合再編し急性期病院として甲南医療センターに改名され、新たに生まれ変わります。
この大きな節目を迎えるにあたり、大きな期待と同時に責任の重大さを痛感し、身の引き締まる思いでいっぱいです。
中央放射線部は、医師が求める診断価値の高い画像を患者さんに提供することを責務とし、中央診療部門の要になると自負しております。
甲南医療センターでは、放射性医薬品を用い機能評価を行うPETセンターの開設、またIVRセンターでは血管造影検査や外科的手術を要しない血管内治療の拡充を図り、高機能、高精細な診断装置の導入により、最新医療に対応すべく準備を進めてまいりました。
これらを駆使し三次元的画像構築による診断支援や手術支援画像を作成することで、より診断効率が向上するものと考えております。
神戸市の東灘区を中心とした地域の皆様には、CT、MRI装置の複数導入により検査予約の折、待ち時間のない早期実施が可能となり、検査への不安を解消できるよう努めてまいりたいと思います。
我々診療放射線技師は、患者さんの肉体的および精神的な負担低減を目的に、低被ばく化や検査時間の短縮を図るため日々自己研鑽し認定制度や専門技師の取得に励んでおります。
昨今、装置の大型化や検査の煩雑化により、患者さんから目が離れがちで、患者さんを置き去りにすることが危惧されていますが、中央放射線部では、ホスピタリティを原点に、いかなる時も患者さんに寄り添うことを忘れず、患者さんを中心とした医師、他の職種間でのチーム医療に徹することを重点に、日常業務に励んでおりますので是非甲南医療センターへお越しください。
単純X線撮影
- 装置の概要
単純X線撮影とは、目的の部位にX線を照射して、画像化するものです。X線が透過しやすいもの(肺)は黒く写り、透過しにくいもの(心臓や骨)は白く写ります。当院には一般撮影室が3部屋あり、頚部・胸部・腹部・四肢・脊椎等の撮影を行っております。
全ての撮影室でFPD(フラットパネルディテクタ)という、画像をデジタルで収集する最新装置を使用しております。 - 所要検査時間
約1~10分程度(検査内容によって異なります) - 最新技術
最新の画像読み取り装置の導入により、これまでの装置と比較して被ばく線量が低減されます。
また、最新の画像処理ソフトが導入され、より鮮鋭度の高い画像を提供できるようになりました。
乳房撮影
- 装置の概要
マンモグラフィ検査は乳房のレントゲン検査です。専用の装置を用い、乳房を圧迫して撮影を行います。圧迫することで乳房内の病変をはっきり写すことができ、被曝線量を減らすことが出来ます。圧迫により痛みを伴う場合がありますが、ご協力お願いします。 - 所要検査時間
検査時間は10~20分程です。 - 最新技術
最新の画像処理技術により、より高画質な画像を得られるとともに、被曝線量を約30~40%減らすことが出来るようになりました。
また、トモシンセシス機能が追加され、従来は乳腺の重なりにより見えなかった病変を細かくみることが出来るようになりました。
検査をご希望される方は当院乳腺外科外来の受診をよろしくお願いいたします。
骨密度測定
- 装置の概要
骨密度検査は、骨粗鬆症の診断や治療効果の判定に使用されています。当院では、2種類のエネルギーのX線を使い透過率の違いを利用して骨密度を測定するDXA法で検査を行います。腰椎や股関節の周囲に金属等がある場合は、検査着に着替えていただく場合があります。また検査中に体を動かしてしまうと骨密度の測定に影響が出ますのでご注意ください。 - 所要検査時間
仰向けで寝ていただき、約10分ほどの検査になります。 - 最新技術X線を使用するため被ばくを心配される方もいらっしゃいますが、胸部レントゲンの約1/6程度の低エネルギーのX線を使用しますのでご安心下さい。また本装置は検査時間の大幅な削減と、患者様の負担軽減も可能です。
X線透視検査
- 装置の概要
X線透視装置はX線を用いて、リアルタイムで動画のように観察できる装置です。
造影剤を用いて、形や位置など確認するときもあります。
当病院では2台の透視装置があります。内視鏡検査(胆管膵管検査、大腸ファイバー、食道拡張)、整形外科検査(股関節ブロック、神経根ブロック、整復)等に用いて検査します。 - 最新技術
多方向から観察できるCアームと、17×17インチの大視野FPDを搭載しています。
画像処理技術の向上によって、従来の装置より、高画質と低線量を両立した画像を提供します。
結石破砕装置
- 装置の概要
体外衝撃結石破砕装置(ESWL)は、胆石や尿路結石などの治療に用いられます。体の外から衝撃波を結石に照射して粉々に砕き、体の外に流しだす治療法です。外科手術と異なり体が傷つきません。また痛みが少なく、多くの場合、麻酔が不要です(鎮痛剤は使用します)。再発の場合の治療法としても最適です。 - 所要検査時間
治療時間は1時間程度で終わります。
副作用・後遺症がほとんどないため治療後すぐに日常生活・職場への復帰が可能です。 - 最新技術
今回導入された次世代型の最新多機能結石破砕装置により、高い破砕効率はもちろん、正確な焦点照準によって治療精度が向上できます。
CT
- 装置の概要
X線を用いて体内を輪切りにした画像を得る撮影方法です。 体内の様子が詳しくわかり診断や治療に大変役に立ちます。最小スライス厚0.5mm。 - 所要検査時間
胸部・腹部は1回の息止めが約10秒程、2・3回程の息止めで検査は終わります。
頭部・四肢等は息止めは必要ありません。
検査内容によっては、「造影剤」という薬を静脈から注入して撮影を行います。この場合、血管や病変などのより詳しい情報を得ることができますが、前室であらかじめ造影剤のルート確保してから検査室に入っていただくため、約20分程かかります。 - 最新技術
AIによるノイズ低減技術により、 従来より被ばくを少なくすることが可能となりました。さらに冠動脈CTでは320列・高速回転撮影により従来より低被ばくで高分解能の画像を得ることができます。
またDual Energy撮影を行うことで通常より多くの情報を持った画像(質的診断)の提供や、造影剤を少なく検査することも可能となります。
- 甲南医療センター 患者サポートセンター
- 〒658-0064 神戸市東灘区鴨子ヶ原1丁目5-16
- 受付時間:平日 9:00~17:00
- 電話:078-851-0122(直通)
- FAX:078-854-4158(直通)
MRI
- 装置の概要
MRI検査は非常に強い磁石と電波を使って全身のあらゆる部位を検査することができる装置です。CT検査と異なり放射線被ばくは一切ありません。
1.5T装置は口径が従来の60㎝から70㎝に拡大され、検査を受ける際スペースが広がり、快適に検査を受けていただくことができます。
2台体制となるため、当日予約外検査に対応しやすくなります。
【依頼医の先生方へ、当日検査依頼は当院患者サポートセンターにご連絡ください】 - 所要検査時間
検査部位・目的により異なりますが、検査時間は15分~45分程かかります。しかし最新の高速化技術である圧縮センシングの導入で画質の劣化を最小限に抑えながら検査時間が短くなります。 - 最新技術
心臓MRIや全身DWI、MRスペクトロスコピー、非造影灌流画像(ASL)、非造影血管画像、金属アーチファクト低減技術等最新の撮像を行うことができ、非常に安定した画像を提供することができます。
- 甲南医療センター 患者サポートセンター
- 〒658-0064 神戸市東灘区鴨子ヶ原1丁目5-16
- 受付時間:平日 9:00~17:00
- 電話:078-851-0122(直通)
- FAX:078-854-4158(直通)
3D画像解析システム
- CT・MRなどから得られた画像データを用いて、高精度な3D画像の作成や画像解析を行います。
- また、術前検査で得られた画像データを用いて、術野に合わせて作成された3D画像は、病巣と血管や腫瘍との関係を明確に表現されているため、手術時間の短縮や安全性の向上に貢献します。
核医学検査(PET)
- 装置の概要
PETとは、Positron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)の略で、放射線を出す放射性医薬品を使って行う核医学検査の一種です。薬剤を体内に投与し、体内に分布した薬剤を特殊なカメラでとらえて画像化します。PET/CTはPETに加え、同時にCTを撮影することで、より詳細に薬剤が体内のどの部位に集まっているか画像化でき、精度の高い診断が可能です。 - 所要検査時間
来院~検査終了まで約2時間(追加撮影を行った場合は約3時間) - 最新技術
圧倒的な感度と低投与域での計数率特性を大幅に向上させた新設計PET検出器“LightBurst Detector”を搭載しています。また、次世代の PET画像再構成法である「Q.Clear」を標準装備し、画質(SNR)を向上させるとともに条件に左右されない信頼性のある安定した定量性(SUV)を持たせることを可能にしています。さらに、高速16スライスCTを搭載した最新型PET-CT装置です。
核医学検査(SPECT)
- 装置の概要
核医学検査は特定の臓器や組織に集まりやすい性質を持った放射性の医薬品を患者さんに投与して検査を行います。投与された放射性医薬品が、目的の臓器や組織に集まったところで、そこから放出される放射線を専用のカメラで画像化します。 - 所要検査時間
検査目的に応じて異なります。(注射後すぐ撮影する場合もあれば、2~3時間後に撮影する場合や、日にちをまたいで撮影する場合があります。) - 最新技術
小型で高性能PMT(光電子増倍管)を採用することにより、検出器のサイズを小さく、軽量化を可能としました。最新技術で一新した新型検出器は、高い基本性能と安定性を実現しています。また、低線量で高画質を保つための専用CTを設計し、低線量で低ノイズ、高コントラストのCT画像を実現したSPECT-CT装置です。
血管造影検査
- 装置の概要
血管造影検査は、カテーテルという細い管を血管内に挿入し、造影剤を注入して撮影する検査です。腫瘍や血管の狭窄・閉塞の診断を行います。この技術を使って腫瘍の栄養血管を塞栓したり、狭い血管を拡張させたりする治療をIVR(Interventional Radiology)といいます。
当院は2台の先端技術を兼ね備えた血管造影装置が稼働しています。2方向同時に撮影可能なバイプレーンシステム(島津製作所社製:Trinias B12 unity edition)、バイプレーンにX線CT装置を搭載したIVR-CTシステム(SHIEMENS社製:Artis zee BA Twin、SOMATOM Scope)を導入しました。 - 所要検査時間
診断・治療に要する時間は目的により、30分から数時間かかるものまで様々です。 - 最新技術
心血管のように動きを伴う臓器のステント治療において視認性が向上する高解像度ステント撮影や三次元血管ガイディング機能など最新ソフトウエアなどが導入されており、より安全で高度なIVRを力強くサポートしています。
中央放射線部 機器一覧
設備 | 名称 | 製作者名・形式 | |
---|---|---|---|
一般撮影 | 一般撮影装置1 | 島津製作所
|
RADspeed Pro |
一般撮影装置2 | RADspeed Pro | ||
一般撮影装置3 | RADspeed Pro | ||
一般撮影装置4 | 富士フイルム | FPD CALNEO Smart | |
乳房撮影装置 | 富士フイルム | AMULET Innovality | |
骨密度測定装置 | GEヘルスケア・ジャパン | PRODIGY Fuga | |
歯科用撮影装置 | 朝日レントゲン | AUGE SOLIO Z | |
回診車1 | 島津製作所 | MobileArt Evolution(FPDシステム) | |
回診車2 | MobileArt Evolution(FPDシステム) | ||
回診車3 | MobileArt Evolution(FPDシステム) | ||
回診車4 | 日立製作所 | シリウス130HT(FPDシステム) | |
結石破砕装置 | ドルニエメドテックジャパン | Gemini | |
デンタル撮影 | モリタ製作所 | V080 | |
血管撮影装置 | 血管撮影装置1 | 島津製作所 | Trinias B12 |
血管撮影装置2 | シーメンス ヘルスケア | Artis zeeBA Twin SOMATOM Scope power | |
CT | 全身用CT撮影装置1 | GEヘルスケア・ジャパン | Revolution HD |
全身用CT撮影装置2 | キヤノンメディカルシステムズ | Aquilion ONE | |
MRI | MRI装置1 | フィリップスエレクトロニクスジャパン | Ingenia 1.5T |
MRI装置2 | Ingenia 3.0T CX | ||
核医学 | SPECT-CT装置 | GEヘルスケア・ジャパン | Optima NM/CT 640 |
PET-CT装置 | Discovery IQ-X | ||
ワークステーション | 3D画像解析装置 | 富士フイルムメディカル | SYNAPSE VINCENT Ver.5 |
透視装置 | X線透視装置1 | キヤノンメディカルシステムズ | Ultimax-i |
X線透視装置2 | Ultimax-i | ||
外科用イメージ1 | 島津製作所 | OPESCOPE ACTENO | |
外科用イメージ2 | OPESCOPE ACTENO | ||
外科用イメージ3 | シーメンス ヘルスケア | Cios Select |