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せん妄について

ここでは、コンサルテーション・リエゾンでもっとも多くみかける、せん妄についてお話します。
せん妄の鑑別は結構難しいのですが、注意や意識の障害があること、一過性で症状の変動があること、もの忘れや見当識障害があること、などを手掛かりにして診断します。

せん妄の原因は、直接因子、準備因子、促進因子に大きく分けられます。図1のように、せん妄をたき火に例えるとわかりやすいです。直接因子はせん妄を発症させる基礎疾患のことで、火をおこすライターに当たるものです。準備因子は、せん妄が発症しやすい危険因子のことで、薪に当たります。促進因子は、せん妄の発症を誘発・促進する要因のことで、油に当たります。

このうち、直接因子、準備因子をコントロールするのは難しいので、せん妄の予防・治療は、促進因子をできるだけ取り除くことになります。図2のようなイメージです。興奮が強い場合や、不眠が続く場合などは、精神科のお薬を使うこともあります。

当院では、上記の内容を含んだせん妄対策マニュアルを作って各病棟でせん妄対策を行う一方、困難な症例についてはコンサルテーション・リエゾンで対応しています。

図1 せん妄の発症モデル
図1.せん妄の発症モデル(井上真一郎,内富庸介:せん妄の要因と予防,臨床精神医学42(3):289-297,2013より引用)

図2 せん妄のケア
図2.せん妄のケア(井上真一郎:ナース専科PLUSより引用)