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2022年10月研修:研修医2年目 M・N

研修内容

私が研修させていただいた清水メディカルクリニックでは、外来診療、緩和ケア面談、訪問診療を行っており、研修では主に訪問診療に同行させていただきました。
訪問診療では、バイタル測定や身体診察をしながらご本人・ご家族に話を伺い、適宜血液検査や気切チューブ交換などの検査・処置を指導の下させていただくことができます。
その後必要な薬剤などを確認し処方箋をお渡しして訪問診療は終了となります。
初回訪問から同行していた患者さんが亡くなった際には、最後の診察もさせていただきました。
また、月1回ずつ訪問看護研修、薬局研修があります。
訪問看護研修では、訪問看護センターの看護師の方と同行させていただき、処置内容や観察項目などを学ぶことができます。
薬局研修では、訪問薬剤管理指導を行っている薬局に伺い、処方薬を渡す際の工夫や残薬管理方法、医師へのフィードバックの内容などを学ぶことができます。

自宅で使用できる医療機器やサービスの多さを知り、入院患者さんの退院後の生活を想像することができるようになり、とても勉強になる1か月間でした。

研修を終えての感想

研修に行くまでは、「訪問診療=癌末期の方や難病の方の緩和医療」というイメージでしたが、
実際には先天性遺伝子異常で一生人工呼吸器管理の方、神経難病で徐々に身体が動かなくなる方、
癌末期で疼痛・嘔気・呼吸苦への対応が必要な方、比較的健康なものの認知症で通院困難な方など、患者さんの疾患・ADLの幅が広く驚きました。
また、生活環境や経済状況、家族仲や病識なども様々であり、患者さんによって自宅で過ごすために必要なサービスが大きく異なっていることを実感しました。
訪問診療を通して、病気ではなく患者さんを診ることの重要さを再認識し、今後は患者背景まで見られるようになりたいと強く感じました。
薬局研修では、コンプライアンス改善のために一包化しカレンダーにセットした状態で持って行ったり、副作用が出ていないか、
飲みにくさを感じていないかなどを細かく聴取しているのを見て、医療とは様々な職種が連携することで成り立っているということを改めて感じることができました。

急性期病院では経験できないことばかりで、とても有意義な1か月間でした。
研修でお世話になった清水メディカルクリニックの皆様、クリオ訪看ステーションの皆様、さくら薬局の皆様、本当にありがとうございました。

2022年7月研修:研修医2年目 S・H

研修内容

私は明石市にある清水メディカルクリニックで研修させていただきました。研修内容としては主に訪問診療で、時に外来診察もあります。
訪問診療の際には患者さんの診察、検査、処方、カルテ記載など、ほとんどのことを指導の下に行うことができます。
言葉だけでみると普段の業務と変わらないようですが、訪問診療では患者さんの生活に沿った診療が行われるため、
患者さんの訴えや必要な薬、できる検査、求められていることなど、普段の病棟、外来業務とは全く異なる診療が求められます。
また、患者さんの病歴も様々で、がんの終末期や気管切開されている方、病状は落ち着いているが社会的に問題のある方、施設入所中の方など、
急性期から退院した後の患者さんがどう生活しているかを見ることができ、今後訪問診療などの地域医療に携わることはないと思っていても、十分有意義な研修を行うことができる内容だと思います。

研修を終えての感想

はじめは地域医療なんてできるのかと不安な気持ちが大きかったですが、慣れない場所でもできることを探し、
指導を受けながら見よう見まねでやってみると、少しずつ成長する自分がいて最終的にはとても楽しく有意義な1か月になりました。
訪問診療では、限られた医療資源の中で生活に基づいた診療をしていく中で、普段の業務よりもさらに患者さん自身を診ることの大切さが身に沁みました。
また、終末期の看取りや寝たきりの患者さんの診察など、急性期では経験できないことを研修することで、
普段何気なく行っている業務をより立体的に考えることができるようになりました。
ほかにも地域研修でしか学べないことは多く、このような貴重な経験をさせていただいたことは今後の医者人生を歩む上で大きな財産になることと思います。
清水メディカルクリニックの皆様には改めまして心よりお礼申し上げます。

 

2022年6月研修:研修医2年目 H・T

研修内容

私が研修させていただいた清水メディカルクリニックでは、外来診療を行う一方で訪問診療に力を入れておられます。
研修医は基本的に訪問診療に同行します。
まず、事前に訪問する患者さんの情報をカルテから収集します。
患者さんのご自宅に着いたら、まずはバイタルを測定し、その後診察に移ります。
そしてご本人やご家族とお話ししながら処方を決めたり、追加の検査を行ったりします。
様々な患者さんが訪問診療を受けられています。
癌の終末期の方や認知症、ALSなどの神経難病、 気管切開されている方や人工呼吸器をつけている方、
中には生後数か月の小児の患者さんも利用されていました。
一日の中でも様々な症例を経験することができる、非常に有意義な1か月でした。

研修を終えての感想

1か月間訪問診療に同行させていただいて、強く感じたのは訪問診療でかなり幅広いことができるということです。
訪問診療はどうしても病院と比較すると使用できる医療資源が限られていますが、
採血や心電図検査はもちろん、PCAや気切交換、腹水穿刺までも経験させていただきました。
研修前は正直なところ、『在宅医療といえば終末期に看取るために自宅へ帰るもの』という印象でしたが、
実際はかなり幅広い治療や検査を自宅で行うことができることがわかりました。
また、実際の暮らしを拝見することで病院では見えていなかった、生活する上での細かな障壁にも気づくことができました。
今後患者さんが退院される際には、ただ病気が治ることだけでなくその方が ご自宅できちんと生活できるのかということまで考えることが必須であり、
スムーズに退院後の生活に馴染めるよう配慮するべきであることを実感しました。
また医療現場に共通して言えることですが、訪問診療は特にご本人やご家族との信頼関係の上に成り立っています。
清水メディカルクリニックの先生方やスタッフの方々の、 誠実で丁寧な診察や何気ない会話がどれほど患者さん及びご家族の救いになっているか、痛感する場面が多くありました。
どんなに小さな訴えも真摯に受け止めて診察され、お話の仕方に関しても一つ一つの言い回しや表現の仕方に配慮がなされていました。
このことは今後自分がどのような道に進もうと、医療に携わる上で絶対に忘れてはならないと強く心に刻みました。
このような貴重な経験をさせていただいたことは今後の医者人生を歩むうえで大きな財産になることと思います。
清水メディカルクリニックの皆様には改めまして心よりお礼申し上げます。

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