2022年2月研修:研修医2年目 E・H
研修内容
清水メディカルクリニックでは訪問診療を中心に、外来研修、薬局実習、訪問看護など様々な研修をさせていただきました。
訪問診療では通院困難な方の自宅や施設に赴き診察を行わせていただきました。
比較的病状の安定している方もいれば、中には終末期の方や胃瘻・気管切開などの医療ケアが必要な方、高齢者から小児まで様々な患者さんがいらっしゃいました。
それぞれに合わせた診察を行い、採血や尿道カテーテルの入れ替え、気切カニューレ交換などの処置を手伝わせていただきました。
外来研修では初診を担当し、わからないことがあれば清水先生に相談させていただきながら外来診療を行わせていただきました。
また時期的なこともありインフルエンザやコロナワクチンの接種なども行いました。
薬局実習や訪問看護では実際に薬剤師や看護師、療法士に同行し、 地域医療におけるチーム医療の実際を学ぶことができました。
研修を終えての感想
今回の研修を通して、訪問診療の主目的は患者さんやその家族、 身の回りの方々が安心して暮らせるようサポートすることにあり、医療はそのひとつの手段にすぎないように感じました。
どのようにすれば患者さんやご家族の暮らしがより良いものになるか?と考えることは、
普段の急性期病院での研修で病気の診断法や治療法ばかりを考える癖がついてしまっていた自分にとっては非常に新鮮な感覚でした。
今後は自分も退院後の患者さんの生活にまで目を向けられる診療ができるようになれればと思います。
また、最終日に自分が興味をもって調べたことを発表する機会が設けられていたため、
私は自身が循環器内科志望であることから心不全の緩和ケアをテーマに選ばせていただきました。
今回の研修まではあまり関心のない分野でしたが、清水先生が循環器内科出身ということもあってより詳しくご教示くださり、
今まさに発展途上にある面白い分野であると感じとても興味を惹かれました。
1か月という短い間ではありましたが、この研修で学んだことは必ず血となり肉となり今後の診療に生かされると思います。
この度は大変貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
2022年1月研修:研修医2年目 T・S
研修内容
松前町立松前病院での研修では救急外来を主に担当させて頂きました。
救急外来と一口に言っても1次や2次救急にあたるようなwalk inの外来からCPAや外傷などの重症救急搬送まで幅広い症例を経験しました。
初診の患者さんの問診や診察はもちろんのこと、画像検査や採血検査のオーダーから治療方針の組み立てまでの流れを主体的に行いました。
また対応した症例の中で絞扼性腸閉塞や急性虫垂炎といったOpeを要する疾患があれば、函館の消化器外科への転院搬送依頼を行うところまですべて経験させて頂きました。
救急外来や内科外来の対応を行いながら、それと同時に施設内で様々な実習(薬局実習、リハビリ実習、透析実習、エコー実習)もご企画頂きました。
また毎朝夕には勉強会があり札幌医科大学地域医療学講座の名誉教授である山本和利先生から、
実際の症例をもとにした多くの疾患のピットフォールをご教授頂き大変充実した1か月間を過ごすことが出来ました。
研修を終えての感想
地域医療病院での実地経験を終えて感じたのは、普段の診療においていかに問診や身体診察などが図らずも軽視されてしまっているかということでした。
常日頃より気を付けているつもりであっても、やはり普段の診療では放射線科読影がありCTが夜間でもすぐとれる環境にありMRIもすぐに施行できます。
ただ地域医療病院ではモダリティや医療体制も限られており、転院搬送(函館まで2時間)のことも考えながら大胆かつ繊細に診療することが求められます。
普段の恵まれた環境が当たり前ではないことまたそれに甘えきってしまうことに危機感を抱きましたし、
Generalに見れるSpecialistを目指す上で本実習は今後の反省となる非常に貴重な経験でもありました。
また札幌や函館から学生や研修医も同時期に来られており、実習内外でも交流を深め楽しく過ごすことが出来ました。
また病院の先生方に地域のおいしいお店をご紹介していただいたり、週末は函館で温泉に入ったりと北海道を満喫することが出来ました。
ここに来なければ一生出会うことのなかった人や経験もたくさんあり、今回の実習をお受けいただいたことを大変感謝しております。
2021年12月研修:研修医2年目 K・M
研修内容
私は主に訪問診療に同行させていただきました。
定期診察の患者さんが主でしたが、急変対応やお看取りに同行させていただくこともありました。
患者さんの多くは高齢者で、様々な理由から通院が困難になり、在宅医療を受けている方々でした。
在宅医療機器を使用している患者さんも数多くいらっしゃり、チューブ交換等の管理を行ったり、使用方法を家族に指導させていただく機会もありました。
診察時にはバイタル測定や採血などを実際に経験させていただきました。
患者さん自身の椅子やベッドで行う診察は、病院で行う診察とは異なる緊張感がありました。
患者さんに処置を行う合間に、家族の悩み相談に耳を傾けて対応策を提示し、必要があれば医療的介入を行うなど、病院での外来診察との共通点もありました。
クリオ訪問看護ステーションで訪問看護の同行を、さくら薬局明舞松ヶ丘店で調剤の研修をさせていただく機会もあり、多職種連携の重要性を再確認しました。
研修を終えての感想
患者さんの今までの生き方や考え方、社会的背景を捉えて、それらに沿った医療を提供することの重要性を、研修を通して学びました。
雑談の中で患者さんがご自身の人生を振り返り、最期の迎え方について希望を述べられる場面に同席させていただいた時は背筋が伸びる思いでした。
この研修で学んだ傾聴の姿勢を今後の医療に活かしていこうと思いました。
また、カンファレンスでは、患者さんがその人らしく生活できるように、患者さん家族を主体に、
看護師や介護ケアマネージャーなど多職種が連携し力を合わせ、一丸となっているように感じました。
在宅医療では家族も重要なスタッフの一員であるという認識を持ちました。
院内での研修だけではできなかったであろう貴重な経験を沢山させていただくことができました。
地域医療研修にご協力いただきました皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。
ありがとうございました。
2021年11月研修:研修医2年目 T・J
研修内容
清水メディカルクリニックでは通院困難な患者さんのご自宅へ訪問し、 診察させていただきました。
さまざまな患者さんがいらっしゃり、 お看取りなどの大切な時間もご一緒させていただくことができました。
さらには、クリオ訪問看護さん、さくら薬局さんと訪問看護、訪問薬剤もご一緒させていただく機会があり、地域医療でのチーム医療の重要性を肌で感じることができました。
そして、診察や治療といった医学的なことだけではなく、 日々の生活において国からの制度をどのように活用していくかは 患者さんにとってなくてはならないものです。
法律、制度については難解な部分もありますが、 清水メディカルクリニックの方々は日常から意識していらっしゃり、
お昼の時間などで講義を通して勉強させていただくことができました。
また退院前カンファレンスにも参加させていただき、退院後の患者さんのご自宅の状況、普段の生活、ご本人、家族の意思など、
生活の一部としての医療を清水メディカルクリニックで研修できました。
研修を終えての感想
やはり、訪問診療するにあたって病院とは違い物品や検査などがそろった状況で 患者さんを診察できるわけではないことに初めは戸惑いました。
例えば、発熱していらっしゃる患者さんである場合、何が原因で発熱しているのか、
そして感染であった場合、病院では必要であれば培養検査したのち多数の抗菌薬から 選択することが多いと思います。
しかし、訪問診療において患者さんが発熱していらっしゃった場合、 熱の原因を診察でおおまかに把握し、
それが感染だとして、必要と判断すると、 抗生剤点滴を処方させていただくこともありました。 この場合、毎日の点滴の交換が必要になってきます。
多くにおいて訪問看護の制度、そして患者さんの負担の両面から考慮して1日1回もしくは2回を選択し、その用法にあった抗生剤のみしか選択できません。
病院のように菌を同定してそれに合った抗生剤を処方することは難しいことでした。
訪問診療では問題が起こった場合、ご本人そして家族が、 ご自宅で過ごされるか病院受診されるかを選ばれるかが大きな別れ道であり、
必ずしも原因追及、解決が優先事項ではないことを感じました。
そして、多くの方がご自宅で過ごされることを選ばれていたことが印象的でした。
訪問診療とは患者さんにとって生活の一部でなければいけないことを理解できました。
患者さんが病院から退院され、訪問診療を導入される際には普段どのような暮らしをされているかということを重点的に聴取されていました。
急性期病院で研修しているだけでは患者さんの退院後の生活を想像することは難しかったですが、
実際に生活の一部としての医療を研修できたことで視点が増えたように感じます。
このお忙しい時期に有意義な研修させていただき誠にありがとうございました。
2021年10月研修:研修医2年目 S・K
研修内容
清水メディカルクリニックでは、往診を中心とした診療について実際に研修を行いました。
往診では、医療機関への通院が困難な方や、 退院後も自宅内で引き続きケアが必要な方、がん末期、神経難病、医療ケア児など、 さまざまな年齢、疾患の方のところへ診察に行きます。
毎日朝・夕に全体カンファレンスを行い、その日往診に行く患者様や、 夜間や日中に連絡があった患者様のことについて話し合います。
往診では、患者様の診察を行いながら、必要に応じて血液検査や、エコー検査を行います。
また、私が研修していた時期はちょうどインフルエンザワクチン接種時期だったため、 患者様本人や同居のご家族様に接種を行いました。
1か月を通して同じ患者様に往診する機会があり、 発熱で苦しんでいた患者様が次にお会いした時には表情も柔らかになっていることがあり、 治療が良くなっていると実感しうれしく思いました。
中には、初回往診と看取りをさせていただいた患者様もおり、 最後まで自宅で自分らしく生きれたと思う、 と話されるご家族様のお話をお聞きし、往診の重要性を改めて感じました。
研修を終えての感想
普段、院内で行うカンファレンスは医師が主体で行い、 ほかの医療スタッフが発言することは珍しいことが多いですが、
清水メディカルでのカンファレンスでは医療スタッフ全員で話し合っていたことがとても印象的でした。
職種が異なるため、同じ患者様のことでも違う視点で考えることができ、 勉強できることがたくさんありました。
また、院内では患者様のお話をお聞きすることがほとんどですが、 患者様のご自宅に診察に行く往診では、
本人だけでなくご家族様のお話をお聞きすることも多く、ご家族様の不安や心配にも寄り添っていました。
患者様の周りにいる人々も、患者様にとって大切な方であり、 その人たちのことも考える訪問診療はとても温かく、
素敵な医療だと感じました。 1か月を通して、地域医療に根差した訪問診療の重要性を改めて実感しました。
1か月を通して得た貴重な経験を、今後の診療に生かしていきたいと思います。
2021年9月研修:研修医2年目 S・K
研修内容
清水メディカルクリニックは、主に訪問診療を中心としたクリニックです。
訪問診療では、がんや神経疾患などで通院が困難になった患者さんや、最期を家で過ごすことにきめた終末期の患者さんのご自宅に伺います。
清水メディカルクリニックは、小児の患者さんも受け入れている数少ないクリニックのひとつであり、実際に私も何度か医療的ケア児の訪問に同行させていただきました。
訪問がスタートする際には、患者さんが入院していた病院に行き退院前カンファレンスに参加してお互いに情報を共有したり、
家族を交えて面談を行ったりして、スムーズに訪問診療が始められるようにさまざまな取り組みがなされていました。
私も訪問前の面談や初回の訪問に参加させていただき、訪問診療の導入について具体的に知ることができました。
また、半年に1回の遺族会やデスカンファレンス、医療スタッフ自身のグリーフケアなど、亡くなった患者さんについて振り返る機会も作られていたことが印象的でした。
研修を終えての感想
今回の研修で私は、患者さんをその疾患だけではなくひとりの人間として知ろうとする姿勢がいかに大切かということを改めて再認識することができました。
普段、入院や外来の者さんと関わっているとどうしてもその患者さんの疾患だけに集中してしまいますが、
実際にご自宅に訪問することで、患者さんお家族や仕事、趣味、自分の疾患に対する思いや死生観について知ることができて非常に印象的でした。
今後、急性期病院で働くうえでも、患者さんが病院以外の場所でどのように普段の生活を送っているのかを常に想像しながら接していかなければいけないと感じました。
また、今回の研修では半年に1度の遺族会にも参加させていただき、介護していた家族の率直な思いを聞くことができました。
在宅で看取ることを決めて最期まで患者さんを支えた家族の苦労や工夫、後悔など教科書では学べない貴重な体験をさせていただきました。
2021年7月:研修医2年目K・S
研修内容
清水メディカルクリニックでは、一般外来診療に加えて、訪問診療もおこなっており、私たちは主に訪問診療に同行させていただき研修をおこないます。
訪問診療は、基本的に医師1名・看護師1名で、患者さんのお宅やグループホームに伺い診察にあたります。
患者様の疾患は、ガン末期の方から変性疾患、頸椎損傷の方まで多岐にわたり、気管切開や胃瘻といった医療的ケアを必要としている方も多くいます。
ひとりひとりに合わせて診察を行い、必要とあれば心電図や採血、エコーといった検査をおこない、薬剤調整をおこないます。
さらに成人だけでなく、先天性疾患などの基礎疾患をもつ小児在宅医療にも携わっており、小児在宅の難しさも学ぶことができました。
残念ながら患者様がお亡くなりになられた際にはお看取りにも同行させていただき、
患者さん家族との信頼関係を築く大切さを改めて感じ、本院の研修では経験できない貴重な研修となりました。
研修を終えての感想
1か月間の研修を通して、在宅医療の必要性を再認識すると同時に、患者さんの心に寄り添った医療を提供するためには多職種連携が欠かせないということを実感しました。
これまでの研修では、退院後の患者さんのその先の生活というものをあまり想像できていなかったように思います。
通院困難となった方、また最期の時をご自宅で過ごしたいという思いで在宅医療を希望された方など理由は様々ですが、
患者さんのニーズを叶えるうえで在宅医療は大きな役割を果たしていることを知りました。
そして実際に在宅医療を提供する中では多くの課題があり、
それを乗り越えるために多職種連携・病診連携・地域連携を密接におこなわれていることを日々の研修で学ぶことができました。
また、患者さんやご家族との接し方も大変勉強になりました。
中でも、小児のお看取りに同行した際に、ご家族が想像を超える悲しみの中でもどこか満足そうな表情を浮かべている姿が印象的でした。
それまでの濃密な関わりあいで築いた非常に強い絆がなせる結果であり、患者さん、そしてご家族との信頼関係が何よりも大切であると痛感し、大変感銘をうけました。
地域医療研修を通じて、患者さん中心の医療を実践していくうえで非常に大切なことを学ぶことができました。
今後に活かせる有意義な研修をさせていただきましたこと、改めて心よりお礼申し上げます。
研修先:医療法人社団 清水メディカルクリニック 【兵庫県明石市松が丘2丁目3-7松が丘ビル2F】
指導医 理事長・副院長 清水政克先生
2021年6月研修:研修医2年目F・N
研修内容
基本的な1日の流れとしては訪問診療に同行させていただき、患者様の診察から採血や心電図、心臓・腹部エコーなどの検査、
褥瘡などの創部処置、薬の処方などを行います。
毎日朝夕にはカンファレンスがあり、その日1日の計画について話し合ったり振り返りをしたりします。
残念ながら訪問診療をおこなっている患者様がお亡くなりになられた際はお看取りに伺います。
また、訪問診療を導入する際はクリニックでの面談、急性期病院から在宅医療を希望される患者様の退院前カンファレンスを行います。
その他に、訪問薬剤師の方に同行し患者宅へ処方薬をお届けする研修や訪問介護の方に同行し介護の現場を経験する研修もありますが、
コロナ禍の影響で私の場合は訪問でのコロナワクチン接種を行いました。
どれも普段の病院勤務ではあまり経験できないような業務を経験しました。
研修を終えての感想
今回の地域医療研修で経験した在宅医療で特に感銘を受けたことが二点あります。
一つ目は患者様が自宅でご自身にとってベストな療養生活を送るために、多くの職種が連携し治療やケアに当たっていることです。
医師、看護師、薬剤師、歯科医師、理学療法士、ケアマネージャーなどの職種が24時間体制でサービスを提供することで、
患者様の安心する、自分らしく生活できるといった声を聞くことができました。
また、実際に患者様の自宅を訪問することで患者様の生活や趣味、やりたいこと、ご家族様とのかかわり方などの患者背景をより詳しく把握することができました。
どの医療現場でも患者様を中心に考えベストな医療を提供するうえで、患者背景をしっかりと把握することは最も重要なことだと再認識しました。
地域医療研修の1か月間は私の患者様とのかかわり方をより豊かにしてくれるとても有意義な研修であったと思っております。
研修先:医療法人社団 清水メディカルクリニック 【兵庫県明石市松が丘2丁目3-7松が丘ビル2F】
指導医 理事長・副院長 清水政克先生