地域医療研修を終えて 【NEW】2025.6.12更新
2025年5月研修:研修医2年目 S・S
研修病院
丹波市健康センターミルネ診療所
研修内容
丹波医療センターでは、1ヶ月の間に外来診療、訪問診療、救急対応を経験させていただきました。外来診療に関しては、ミルネ診療所の初診外来、丹波医療センターの内科初診外来の症例を振り分けていただき、呼び込みから問診・診察・検査オーダー、結果説明や今後の診療方針決定まで一連した流れを経験することができました。また再診での経過フォローも経験させていただき非常に充実した研修になりました。また訪問診療では、終末期の方やADLが低く通院不可能な方のご自宅に伺って最近の変化や不安を聴取し、診察や処方箋の調整やオピオイドの調整などを経験させていただきました。総合内科の先生方からご教授いただくことが多く、問診や診察、検査項目量が必要十分かどうか一症例一症例丁寧に学んでいくことができました。
研修を終えての感想
当院での診療しかまだ経験したことのない私にとって今回の地域医療研修が他病院で経験する初めての診療でした。田植えのために来院数が激減するなど、東灘区とはまた違った患者様の背景があり、地域特異性を感じることができました。診療所の外来では総合病院とは違い医療資源が限られているため、問診や身体診察から多くの情報を得ることの重要性を学びました。訪問診療では、患者様が退院された後の診療を経験することができ、QOLとして一人一人が何を大切にされているのか訪問看護師やご家族と共有し合い、薬剤管理や在宅生活の創意工夫を学ぶことができました。中でも印象的だったのが、卵巣癌の終末期で亡くなる前日に伺った時のことです。ご本人・ご家族ともに死期が近いことを悟りながらも、食事や談笑の喜びを噛み締めていらっしゃりオピオイドが効いているのか穏やかな表情をされていました。当院の緩和ケアを研修した後だったこともあり、病棟と在宅の一貫した診療を学べたことは私にとって非常に良い経験になりました。