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臨床倫理の基本方針

当院では基本的人権はもとより、当院の「理念・行動指針」「職員の倫理綱領」「患者さんの権利と責務」などに基づき、患者さんにとって最善の医療を追求し実現するために、臨床における倫理に関する方針を定めています。

1.患者さんの人間としての尊厳と権利を尊重します。

・人種、宗教、年齢、性別などにかかわらず、患者さんと信頼関係を築き、平等に医療を提供します。
・守秘義務を遵守し、個人情報の保護に努め、これを他者と共有する場合は適切な判断のもとに行います。

2.患者さんの知る権利および自己決定の権利を尊重し、その権利を擁護します。

・医療内容やその他の必要な事項について、患者さんに分かりやすく十分な説明を行います。
・検査や治療法などの同意や選択にあたっては、患者さんの自己決定権を尊重します。
・職員は必要に応じて患者さんの代弁者となり、権利の擁護者として行動します。

3.医療の進歩に必要な研究の実施や倫理的な問題を含むと考えられる医療行為などについては、関係法規、公表されている指針(ガイドライン)などを遵守し、臨床倫理委員会などで十分な審議を行い、適切な対応を決定します。

 

主要な臨床倫理問題への対応方針

*当院の「臨床倫理の指針」(2020年4月甲南医療センター倫理委員会策定)に基づき、適切に対応します。

1.真実の開示

患者さんが自己決定できるように、診断や治療法などの正確な情報を提供します。ただし、患者さんが望まない場合や、その後の治療の妨げになるなどの正当な理由がある場合は、この限りではありません。

2.自己判断不能(意志が確認できない)への対応

患者さんに意志決定能力がないと認められる場合、又は意志表示ができない場合には、患者さん本人への説明に代えて代理人(患者の立場に立ち、患者の意志を適切に推定することができる人)に説明し、適切な判断ができるように支援します。

3.有益な検査・治療の拒否への対応

医師は検査・治療の必要性と利益、実施しない場合の負担と不利益について明確にします。その上で患者さんに十分な説明を行っても医療行為を拒否した場合は、患者さんの自己決定権を尊重します。ただし、感染症法などに基づき、医療行為の拒否が制限される場合があります。

4.宗教上の理由などに基づく輸血拒否への対応

「宗教的輸血拒否に関するガイドライン 甲南医療センターの基本方針と対応手順」に基づき適切に対応します。宗教上の理由などから輸血を拒否される患者には、相対的無輸血の立場をとります。

相対的無輸血とは、患者さんの意志を尊重し可能な限り輸血をしないよう努力をしますが、生命維持のために輸血が必要であると医師が判断した場合には輸血をするという考えです。

5.DNAR(心肺停止時に蘇生術を行わない)の指示について

当院の「臨床倫理の指針」に基づき、心肺蘇生の有効性、DNAR指示の適切性を患者さんやご家族、代理人に説明し、倫理的側面を考慮し、適切に検討します。

6.人生の最終段階における医療について

「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン(2015年 厚生労働省)に基づき対応します。患者さんの意志を尊重するとともに、患者さん・ご家族・診療チームとが十分な話し合いにより方針を決定することを原則とします。また、可能な限り、疼痛やその他の不快な症状を緩和し、精神的・社会的援助を含めた総合的な医療・ケアを行います。

7.虐待についての対応

虐待が疑われる患者さんについては、虐待対策委員会を開催し、警察へ届け出るか否かを検討します。しかし、その前に緊急で治療などが必要な場合、患者さんに判断能力・意志決定能力がなければ、被疑者の疑いがある親や親族に病状を説明し、同意を得て医療行為を実施します。

8.その他の倫理的問題について

その他の倫理的問題については、「倫理委員会」で審議し、その方針に従います。