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ご高齢の患者様における睡眠薬

#精神科 #神戸市認知症疾患医療センター #もの忘れ外来だより 

ご高齢の方は生理的な変化によってどうしても睡眠時間が短くなり、眠りが浅くなって夜中や早朝に目が覚めたりする傾向があります。そのため満足の行く睡眠を求めて睡眠薬の処方を希望される患者さんが多くいらっしゃいます。睡眠薬は睡眠の質を改善する有用な薬剤ですが、種類によっては身体が馴れて段々効かなくなったり依存性が生じたり、漫然と常用していると初めは確保できていた睡眠の質が徐々に低下するだけでなく、睡眠薬をやめること自体が難しくなることがあります。睡眠薬の副作用として有名なのは健忘と呼ばれる物忘れですが、そうした一時的な認知機能低下だけでなく永続的な認知機能低下の可能性も示唆されており、長期にわたって睡眠薬を内服することにはリスクを伴います。

認知症の患者様では睡眠薬によって、せん妄と呼ばれる意識障害を背景とした混乱や興奮を引き起こす可能性が高くなります。認知症の症状には不眠があるためすでに睡眠薬が処方されていることが少なくありませんが、最近落ち着きがない、急に興奮することが増えたなど精神的に不安定な場合、睡眠薬が契機となって発症したせん妄が原因かもしれません。その場合は内服している睡眠薬を減らす、適切な睡眠薬に変更するなどの対応で精神的に安定することがあります。

睡眠薬の用法について気になる方は、かかりつけ医やお近くの精神科/心療内科にご相談ください。

当院の認知症疾患医療センターでは認知症に関する相談を受け付けています。
またもの忘れ外来では認知症精査を行っています。
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