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副鼻腔炎の手術について

慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下鼻副鼻腔手術をご存知でしょうか。数十年前は歯肉を切って行っていた副鼻腔手術が現在は内視鏡を用いて鼻内の操作のみで行うことができるようになっています。術後の顔面の腫脹はほとんどなく痛みも軽減されています。

ナビゲーションシステム

耳鼻咽喉科では2019年10月より内視鏡下鼻副鼻腔手術の際に、ナビゲーションシステム(Medtronic社 FUSHION Compact)を併用できるようになりました。このシステムでは、予め術前に行った副鼻腔のCT画像と内視鏡で観察する実際のご本人の鼻内を照らし合わせ、専用の器具を鼻内に挿入すると、どのあたりに器具の先端があるのかがCT画像内で確認できます。放射線を用いて行うCT検査のデータを使用しますが、手術中は磁場を用いるシステムのため、術中に放射線被爆する心配はなく生体にやさしいシステムです。鼻・副鼻腔の壁は脳、眼などの重要な臓器と薄い骨の壁で接しています。このシステムにより、これらの重要臓器を手術操作で傷つけないように注意することが可能となります。もちろんこのシステムがなくても手術は可能ですが、より安全な手術を目指すことができるようになったというわけです。

対象となる疾患

近年増加傾向で喘息を合併しやすく難治性の好酸球性副鼻腔炎や、旧来から知られる細菌が慢性的に炎症を引き起こす化膿性慢性副鼻腔炎、過去に歯肉を切って行う副鼻腔手術を受けた後に発生する術後性上顎洞嚢胞などがナビゲーション併用の良い対象となります。お薬だけでは改善しない病態には手術治療が必要です。どうぞお気軽にご相談ください。