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食道は、咽頭から胃へと食べ物を運ぶ消化管の一部で、長さは約25cmあります。蠕動(ぜんどう)運動と呼ばれる規則的な動きによって、飲み込んだ食べ物を胃までスムーズに送り届ける重要な役割を担っています。

食道裂孔ヘルニアは、この食道が横隔膜を通過する部分(食道裂孔)が広がり、胃の一部が胸のほうへずれ込むことで起こる疾患です。非常に頻度の高い病気で、逆流性食道炎の主な原因の一つとして知られています。

治療の基本は、胃酸の分泌を抑える内服薬による内科的治療です。多くの方はお薬によって症状の改善が期待できます。また、食後すぐに横にならない、就寝前の食事を控えるなどの生活習慣の見直しも大切です。しかし中には、胸の不快感、嘔吐、夜間の胃酸逆流といった症状が内服治療だけでは十分に改善しない方もおられます。

このように内科的治療で症状の改善が得られにくい場合に有効なのが外科的治療です。近年、日本では高齢化が進み、年齢とともに増加するとされる食道裂孔ヘルニアを有する方も増えています。特にご高齢の方では大きな食道裂孔ヘルニアを伴うことが多く、それにより手術が必要となるケースが増加していることが報告されています。

当院では、生活の質(QOL)の向上を目的とした外科的治療「食道裂孔ヘルニア修復術」を導入し、患者さん一人ひとりの症状や全身状態に応じて積極的に適応しています。以前は開腹手術が主流でしたが、現在では身体への負担が少ない腹腔鏡下手術が中心となっており、当院でも腹腔鏡下での手術を行っています。

また、ご高齢の方で誤嚥性肺炎を繰り返している場合、背景に食道裂孔ヘルニアが隠れていることもあります。そのようなケースでは、手術によって症状が劇的に改善することも少なくありません。

食道裂孔ヘルニアについてご不安な点がある方、逆流性食道炎に対する内服治療で十分な効果が得られていない方は、まずはかかりつけの先生にご相談ください。そのうえで必要があれば、ぜひお気軽に当院消化器外科を受診していただければと思います。