これまでの治療法で十分な効果が得られないアトピー性皮膚炎の患者さんに対する新しい内服薬があります。
アトピー性皮膚炎の治療は、おもにスキンケアと薬物療法によって行われます。薬物療法には、ぬり薬などの局所療法と飲み薬や注射薬のような全身療法があります。薬物療法の基本はステロイド外用薬による局所療法ですが、それでは効果が不十分である場合があります。その場合には生物学的製剤や免疫抑制剤、JAK(ジャック)阻害剤を追加することがあります。
JAK阻害剤は、これまでアトピー性皮膚炎の治療に使われてきた飲み薬とは違う作用でかゆみや炎症の改善が期待されるお薬です。
このJAK阻害剤であるリンヴォック®(ウパダシチニブ)、オルミエント®(バリシチニブ)は免疫をつかさどる細胞の中にある“JAK”という部分に結合して、かゆみの原因となる炎症性サイトカインが過剰に作り出されることを防ぎます。皮膚の内部の炎症を抑えることで、皮膚の表面に表れる炎症やかゆみの改善が期待されます。
リンヴォック®(ウパダシチニブ)は成人に加え、12歳以上かつ体重30㎏以上の小児にも適応が承認されています。
アトピー性皮膚炎でお困りの方、新しい治療法について詳しく知りたい方は当院皮膚科にお気軽にご相談ください。