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難聴と補聴器

#補聴器 #難聴 

音は鼓膜、耳小骨を振動させ内耳に伝わり、内耳で音の振動を電気信号に変換し、脳に伝えることで音として感じるようになります。 耳から脳までのどの部位に原因があるかで、難聴の種類が変わってきます。

難聴の種類も大きく分けて、伝音難聴、感音難聴、混合性難聴の3つのタイプに分かれます。

伝音難聴は、外耳・中耳の障害によって起こります。長年の炎症で慢性的に鼓膜に穴が開いている慢性中耳炎や耳垢栓塞などが挙げられます。感音難聴は、内耳・聴神経・脳の感音系の障害によって起こります。加齢性難聴や騒音性難聴、突発性難聴などが例に挙げられます。混合性難聴は、伝音難聴と感音難聴の両方の症状が現れます。

伝音難聴は補聴器の良い適応といわれていますが、実際は加齢性難聴のような感音難聴の方によく使用されています。また平均聴力が非常に悪い場合、補聴器を装用しても効果が低くなり人工内耳など他の手段の適応判断が必要となります。

一般的には、補聴器は良聴耳に装用することが多いですが、これは一般論であり必ずしも良聴耳に装用するとは限りません。

補聴器を装用し効果が得られるには、純音聴力検査に加え、語音聴力検査という検査が必要になります。純音聴力検査は、健康診断などで実施されている検査で、ピーピーという電子音を聞いて、聞こえたらボタンを押すと言う検査ですが、語音聴力検査は、電子音ではなく、”あいうえお”の言葉の聞き取りの検査のことです。この語音聴力検査で60%以上の聞き取りができていれば補聴器の効果が得られやすいと考えられ、逆に40%以下では補聴器の効果に限りが見られます。そういった検査を踏まえ、補聴器の適応を検討するべきです。

最近、聞こえが悪くなってきたと感じたり、家族にテレビの音が大きくなっていると指摘されたなど、補聴器が必要かなと感じた場合は、いきなり補聴器を購入するのではなく、まずは耳鼻咽喉科を受診してください。難聴の原因が他にないか、治療すれば難聴が改善される疾患が隠れている可能性はないかなどを調べる必要があるからです。

補聴器は市販されているので、誰でも購入することは可能ですが、聞こえの程度は一人一人違います。低い音から高い音まで、どこがどのように聞こえていないのかをしっかり知り、個々に合わせて調節しないと聴こえるようにはなりません。自分に合った補聴器を、耳鼻咽喉科の補聴器適合検査医師の資格を持っている補聴器相談医のいる当院で納得のいくまで調整し、納得のいく補聴器を作成し、日常生活のQOL(Quality of life)を向上させてみませんか。10万円以上の補聴器の購入の際に、補聴器相談医による診察を受け、補聴器に関する診断書があれば、医療費控除の対象にもなります。

当院では第2、4木曜日の午後から濱本由記子医師を筆頭に、認定補聴器専門店のトーシン神戸補聴器センターより2名の認定補聴器技能者により、予約制で補聴器専門外来を行っております。

補聴器外来を希望される方は、事前に耳鼻咽喉科での診察、補聴器を装用し効果を得られるかどうかの検査をしてから補聴器外来への紹介となりますので、まずは当院耳鼻咽喉科を受診してください。