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手術前からスタート!消化器外科が取り組む「周術期リハビリテーション」で早期回復を目指す

#手術合併症予防 #早期離床 #リハビリテーション #チーム医療 #消化器外科 

「手術を受ける」と聞くと、術後の安静や入院生活への不安を感じる方が多いのではないでしょうか。

かつては「手術の後はじっとベッドで安静にしているもの」と考えられていましたが、現在の消化器外科医療では「手術前から体を整え、術後はできるだけ早く動くこと」が、スムーズな回復への鍵であることが分かっています。

甲南医療センター消化器外科では、手術前後の全身管理の一環として「周術期リハビリテーション」に力を入れています。今回は、なぜ手術前からリハビリが必要なのか、その役割と具体的な取り組みについてご紹介します。

 

1. なぜ「手術前」からのリハビリ(プレハビリテーション)が必要なのか?

手術という大きな治療を乗り切るためには、相応の体力や呼吸機能が必要です。手術が決定してから実際の手術までの期間に始める準備を「プレハビリテーション」と呼びます。

• 呼吸筋のトレーニング: 手術後の麻酔からの回復や、肺炎などの合併症を予防するために、深呼吸や専用の器具を使った呼吸練習を行います。
• 体力・筋力の維持: 手術後の運動麻痺や体力低下を最小限に抑え、術後の離床をスムーズにします。
• 栄養状態の改善: 管理栄養士と連携し、リハビリの効果を最大限に高めるための食事アドバイスを行います。

事前にお体を整えておくことで、手術後の回復スピードが格段に上がり、入院期間の短縮にもつながります。

 

2. 手術直後から始まる「早期離床」のメリット

手術が終わった翌日(あるいは当日の場合もあります)から、理学療法士の立ち会いのもとで「座る」「立つ」「歩く」といった動作を始めます。

「傷口が痛むのに動いて大丈夫?」と心配されるかもしれませんが、早期離床には非常に重要な意味があります。

• 消化管運動の促進: 歩くことで腸の動きが活発になり、術後の腸閉塞(イレウス)を予防します。
• 合併症の予防: じっとしていることで起こりやすい「無気肺・肺炎」や、脚の静脈に血栓ができる「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」のリスクを大幅に減らします。
• 筋力低下の防止: Bed Rest(ベッド上の安静)が長く続くと、1日で数%の筋肉量が失われると言われています。早期に動くことで体力を維持します。

もちろん、十分な痛み止め(鎮痛管理)を行ったうえで、患者さまのペースに合わせて安全に進めますのでご安心ください。

 

3. 医師・看護師・リハビリスタッフ・栄養士の「チーム医療」

周術期リハビリテーションは、一人のスタッフだけで行うものではありません。

甲南医療センターでは、消化器外科医、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、薬剤師が密に連携しています。患者さま一人ひとりの体力、病状、目標に合わせたオーダーメイドの計画を作成し、安全かつ効果的なリカバリーをサポートします。

 

手術はゴールではなく、元通りの生活や社会復帰へ向かうためのスタートラインです。

甲南医療センター消化器外科では、患者さまが安心して手術に臨み、一日でも早く笑顔で退院できるよう、医療チーム一丸となって「周術期リハビリテーション」に取り組んでいます。不安な点やご質問があれば、いつでもスタッフにお声がけください。