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診療方針

当科は、地域の開業医の先生からの紹介患者さんの口腔外科疾患の治療を行っており、親知らずの抜歯や顎変形症に対する顎矯正手術(年間150例)を中心に多くの手術件数の実績があります。2019年10月からは甲南医療センター口腔外科と連携し、今後も地域の患者さんから信頼される質の高い診療を行っていきます。

主要な疾患

埋伏智歯抜歯、良性腫瘍、顎変形症、歯周外科治療、歯科インプラント治療、顎骨や口腔の外傷、歯性感染症、顎関節症、口腔粘膜疾患など。

智歯(親知らず)の抜歯について

智歯は一般的に18才以降に萌出してきますが、傾斜していたり、粘膜に一部被覆されているため、虫歯になったり炎症を起こしやすい形態になっています。多くの智歯は抜歯の適応となり、浅い智歯は片側ずつになりますが、外来局所麻酔科での抜歯が可能です。
しかし、顎骨に深く埋伏した智歯は、神経に近接していたり、手術に時間がかかるため、入院全身麻酔での抜歯が必要になることもあります。

顎変形症手術について

顎変形症とは、受け口や出っ歯などと表現される顎骨の位置異常による骨格性不正咬合です。
顎変形症は、食べにくい・咬みにくいといった咬合の問題、はっきりと声が聞き取れないといった発音障害だけではなく、審美的な精神面での問題も多く含んでいます。治療は、まず術前の歯科矯正治療を行い、その後手術にて上下の歯が噛み合うように、上顎骨と下顎骨を正しい位置へ移動させます。顎変形症の一連の治療(歯科矯正、顎矯正手術)は、健康保険が適応されており、国内では毎年約4000人が手術を受けられています。
また最近は睡眠時無呼吸症候群(SAS)での受診も増えており、軽度のSASに対しては、口腔内装置による治療が行われていますが、高度な下顎後退症で気道の狭小を伴う重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)を発症されている方もおられます。無治療の場合、5年生存率が90%を下回るとの報告も多くある重度のOSASに対しても、顎矯正手術による顎骨移動術により気道の拡大が観察されています。

インプラント治療について

1)インプラントとは?
インプラントとは

デンタルインプラント(歯科インプラント)とは、天然歯の歯根のかわりとなる人工歯根のことです。
インプラントの材質は、純チタンもしくはチタン合金で、チタンは生体親和性が高く、骨と結合(オッセオインデグレーション)することがわかっています。
その性質を利用して、顎の骨の中にインプラント体を埋め込み、数週間から数か月の治癒期間を置き、骨と結合してから、それを土台として歯冠となる上部構造を取り付けます。

2)インプラント治療の利点

インプラント治療の利点

  1. よく噛める
    これまでの自分の歯と同じような感覚で噛むことができますから、食べ物の制限が無くなり、食事を楽しむことができます。
  2. 残っている歯を助けることができる
    従来の治療では、歯のなくなった部分を補うために、残っている歯に負担を求めていました。このため健康な歯を削ったり、残りの歯に過重な負担をかけるため、それらの歯の寿命を縮めてしまうことにつながっていました。しかし、インプラント治療では、残っている歯に負担を求めることなく、歯のなくなった部分の機能と形態を回復することができます。
  3. 気持ちがよい
    取り外しの入れ歯を入れなくて済むので、気持ちがよく、心理的にも若さをとりもどすことができます。また、取り外し式の入れ歯の固定源に利用した場合でも、入れ歯がしっかりと固定されるので、ズレや痛みがなくなり、よく噛めて、発音もしやすくなります。
  4. 見た目がよい
    歯はなくなってしまうと、その部分の骨が徐々にやせてきますが、インプラントを埋入している部分では、顎の内部に力が加わり、顎の骨がやせるのを防ぐことができ、より自然な外観を取り戻すことができます。
3)インプラント治療の注意点

インプラント治療は簡単ではありません。また成功率は100%ではありません。まず全身的な問診および検査により糖尿病などインプラント治療の成否に影響する疾患やインプラント植立のための外科手術に耐えられない重度の心疾患またその他の問題点ついて詳しく調べる必要があります。つづいて口の中の状態、残っている歯の状態、インプラント植立する部位の骨や粘膜の状態を精査し、問題があれば解決するような処置が必要となってきます。インプラントは虫歯にはなりませんが、感染するとインプラント周囲炎をおこすことがあります。それが進むと脱落したり、撤去しなければならない状態になります。ホームケアや定期検診、クリーニングが必要です。また過剰な負担がかかると、上部構造が破折したり、ネジがゆるんだり、インプラント体自身が破折する可能性があります。インプラント治療にかかる費用は健康保険の対象外のため手術前検査料、入院費、手術料、メインテナンス料はすべて私費負担となります。

4)インプラント治療の流れ

インプラント治療の流れ

5)インプラント治療後のメインテナンスについて

インプラントは天然歯よりも防御反応が弱いために、一旦感染すると、短期間で症状が進んだり、脱落してしまうことがあります。そこで、より長期間快適に使っていただくためには、口腔衛生状態を良好に保つことと、過剰な負担をかけないことが必要であり、これを点検するために、定期検診をうけていただきます。

口腔腫瘍について

舌や歯肉、頬(ほほ)粘膜を歯や義歯で常に噛んだり、傷つけていると、その一部は癌化する可能性があります。口腔内に、2週間以上治らない傷やしこりがある場合、経過にもよりますが組織検査が必要です。

歯周病治療について

成人が歯を失う原因の80%は歯周病です。今や歯周病は成人病の一つと言ってよいでしょう。しかし、歯周病は歳をとればだれでもかかる病気ではなく、また一度罹ったら治らない病気ではありません。
歯周病の原因は口腔内の歯周病菌がもつ内毒素による歯周組織の炎症と骨吸収を特徴とする感染症です。治療はその原因となっている細菌を減少させることが中心となっています。

  1. 初期治療:歯科衛生士によるブラッシング指導や歯石除去
  2. 専門的治療:歯周外科手術による喪失した組織の再建、再生
  3. メインテナンス:治療後の状態の維持を目的とした、歯科衛生士によるメインテナンス

歯肉は体の中でも非常に敏感な組織です。またお口の中は全身の中でも微生物、細菌などが最も多く存在している場所でもあります。そしてあらゆる全身疾患と歯周病の関連性が近年の研究により指摘され始めています。歯周病との関連を挙げられているものには呼吸器系疾患、心疾患、糖尿病や妊娠などがありますが、なかでも糖尿病との関連は深く糖尿病は歯周病を悪化させる大きな原因のひとつでもあるのです。