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悪性腫瘍全般を対象とした抗がん薬による治療です。静脈注射、点滴、皮下注射、内服などの手段で全身に作用します。薬剤は単独あるいは数種類を組み合わせて用います。

抗がん薬の使用目的

抗がん薬の使用目的には下記の3つがあります。

  1. 抗がん薬のみで治癒を目指す:白血病、悪性リンパ腫、胚細胞腫瘍など
  2. 手術・放射線治療と組み合わせて治癒を目指す:胃がん、大腸がん、食道がん、頭頸部がんなど
  3. 症状を和らげる、延命を目指す:多くの転移したがん

ご自身が今どのような目的で治療を受けられているのかを理解することはとても大切です。

当院の薬物療法について

当院では最新治療を含め科学的根拠に基づいた上で、患者さんのご希望、生活状況や全身状態を考慮して最適な治療手段を提案していきます。

外来化学療法室(リクライニングチェアを含む14床)を備えており、2023年度は化学療法室で約2,600件(内服加療は除く)の外来化学療法を施行しました。ご高齢、遠方にお住まいなど通院治療が困難な患者さんは入院加療も可能です。治療強度の高い治療は入院で行っており、無菌室(4床)では大量化学療法も施行可能です。

がん自体に対する加療以外に生活の質を保つための治療もとても大事なものです。支持療法として、疾病や治療にともなう有害事象である痛み、倦怠感、食欲低下、吐き気、下痢・便秘、手足のしびれ、脱毛、血球減少などに対する生活指導や薬剤療法を多職種で提供しています。

 

がん薬物療法で用いられる薬

がん薬物療法で用いられる薬には以下のような種類があります。

細胞傷害性抗がん薬

細胞傷害性抗がん薬とは、がん細胞の増殖を妨げたり、破壊したりする作用を持つ薬剤のことです。現在多くのがんでの標準治療として用いられています。副作用に対する支持療法が進歩し、以前よりも負担なく治療が受けられるようになっています。

分子標的治療薬

がん細胞の増殖、進展に関わる分子(タンパク質など)を標的に開発された薬剤が分子標的治療薬です。がん細胞に直接作用し増殖を抑える薬剤のほか、がんに栄養を送る血管が新たにできるのを抑える働きを持つ薬剤もあります。

ホルモン療法薬

もともと体内で分泌されているホルモンの作用で増殖するがんでは、特定のホルモンを分泌している部分を取り除いたり、ホルモンの働きを抑える薬剤を投与することで増殖を抑えることができます。主に乳がん、子宮体がん、前立腺がんの治療に用いられます。

免疫チェックポイント阻害薬

ヒトの体では毎日がん細胞が発生していますが、通常は免疫機能により発生したがん細胞は排除されています。しかし、一旦がんが発症してしまうと、がん細胞が免疫にブレーキをかけた状態となり、がん細胞を排除することができなくなります。
近年がん細胞が免疫にかけたブレーキを解除する働きを持つ「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれる薬剤がいくつかのがんで効果があることが明らかになっています。

外来腫瘍化学療法診療料1の施設基準に関する提示

  • 専任の医師、看護師、または薬剤師が院内に常時1人以上配置され、本診療料を算定している患者さまから電話等による緊急相談等に24時間対応できる体制を整備しています。
  • 急変時などの緊急時に、当該患者さまが入院できる体制が確保されています。
  • 実施される化学療法のレジメン(治療内容)の妥当性を評価し、承認する委員会を定期的に開催しています。

公益財団法人甲南会 甲南医療センター

(令和661日現在)