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年齢を重ねるに連れて、まぶたが重くなり視界がせまくなってきた というお悩みの声をしばしばお聞きしますが、一方で『年だから仕方ない…、もう若くはないんだから・・』と治療をためらわれている患者さんも少なくはなく残念に思います。瞼がもちあがりにくい症状を引き起こす原因はさまざまですが、こういった症状のことを眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)といいます。

眼瞼下垂症の手術は乱立する美容外科の広告のせいで誤った認識がもたれがちですが、単なる美容手術ではありません。瞼が開きにくくなると、初期にはおでこの筋肉で眉をぐっと持ち上げるように無意識にカバーされるため、あまり自覚症状がありませんが、進行するとカバーしきれなくなり、頭痛や肩こりにつながり、しんどさと日常生活で不便を感じるようになってきます。
外見的にはおでこの皺が深く目立つようになったり、目と眉毛の位置が広くなる、眠そうな印象の目元になる、ふたえの幅が若いころより広がったように見える、などの変化がでてきます。こういった症状にあてはまる場合や、ご自身で鏡を見てまぶたの縁(あるいは垂れ下がった瞼の皮膚)が瞳孔(黒目の中心円)にかかる(図)ようになっていれば眼瞼下垂症かもしれません。

当科では、美容的な配慮を最大限行い、瞼の機能回復を提案します。

眼瞼下垂はその原因がある部位(図参考)によって、

  1. 皮膚性・・・ 加齢に伴い皮膚が伸びて弛緩することによる。(高齢者に多い。)
  2. 挙筋・腱膜性・・・眼瞼挙筋の機能低下や挙筋腱膜のゆるみによる。
    (ハードコンタクト使用者、眼内手術歴のある方に多い)
  3. 神経性(麻痺性)・・・脳卒中や外傷により瞼を動かす神経の麻痺による。
  4. 筋接合部性・・・重症筋無力症という神経と筋のシグナル伝達の障害による。
    などに分類され、単独の原因のこともあれば、複数の要因があることもあります。
  • 図:まぶたの構造、模式図

    図:まぶたの構造、模式図

多数をしめるのは皮膚性と挙筋腱膜性、あるいはその両方の合併の例が多くみまれます。

挙筋・腱膜性の下垂はコンタクトレンズの長期使用者や花粉症など目をよくこする方では比較的若年の方でも起こります。

原因となっている部位を適切に診断し、治療方針を決定します。1、2の場合は基本的には治療方法は手術しかありません。34ではほとんどの場合において内科的治療が優先されます。患者さんの状態に応じて適した治療内容、手術術式をご提案いたしますのでまずは受診ください。