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ピーナッツ(マメ科)アレルギーとナッツ(木の実類)アレルギー

#ナッツアレルギー #ピーナッツアレルギー 

近頃、木の実類(ナッツ)アレルギーが増えています。
2022年の食物アレルギーの原因食物割合の調査では、1位が鶏卵、2位が牛乳で、3位が木の実類となっています(これまでは小麦が3位でした)(図1)。
木の実類の中では、1位がクルミ、2位がカシューナッツで、3位がマカダミアナッツです(表1)。
ショック症状(命に関わるような重症の状態)を呈した原因食物でも1位が鶏卵、2位が牛乳で、3位が木の実類でした(図2)。木の実類の誤食によってもアナフィラキシーショックといった重い症状がでる可能性があります。ショック症例の木の実類では1位がクルミ、2位がカシューナッツ、3位がアーモンドでした(表2)。いずれも、クッキーやケーキ、焼き菓子などになどによく使われている木の実類で、子ども同士でおやつのやり取りをしたり、お茶菓子に出たクッキーをつい食べてしまったりすると危険です。

一方で、食物アレルギーの診断は血液検査だけでは確定できません。
木の実類のアレルギーの場合、血液検査で複数のナッツに反応していることもありますが、実際には食べることができることもあります。そこで、実際に食べてみて症状がみられるかどうかを確認する「食物経口負荷試験」を受けていただくことが重要です。
ただし、クルミとペカンナッツ、カシューナッツとピスタチオの間には強い相関性があり、どちらかのアレルギーを診断した児ではともに除去が必要です。

ナッツはお菓子、ドレッシングなど多くの食品に利用されています。食品の外見だけではわかりにくいため原材料を確認することが必要です。2023年3月現在では、クルミ・カシューナッツ・アーモンドが特定原材料表示推奨品目ですが、表示義務はありません。また、店頭販売や外食では表示義務がない点を知っておきましょう。
表示ミスによる誤食例の内訳でも、木の実類は上位に入っています(表3)。

ここで少し話は変わります。
ピーナッツとナッツ類はひとくくりにされることが多いですが、ピーナッツはマメ科に分類され木の実であるナッツ類とは分類が異なります。ピーナッツはアナフィラキシーの発生率が高いため、食品表示法での表示が義務になっています。
ピーナッツの場合も血液検査の結果は参考になりますが、やはり食物経口負荷試験を受けていただくことが重要です。
以上、ピーナッツ(マメ科)アレルギーとナッツ(木の実類)アレルギーの話でしたが、食物アレルギーに限らず、アレルギー全般に関しましてお困りの方は、どうぞ当院小児科にご相談ください。

図と表の出典:消費者庁 令和3年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業