がんの検査や治療を受ける上で新型コロナウィルス感染症の拡大は大きな問題となっています。がん患者さんは免疫状態が低下している可能性があります。また、化学療法など免疫状態が下がる治療方法が用いられる場合があります。免疫力が低下した状態は新型コロナウィルスに感染する可能性が高まると考えられます。

COVID-19ワクチンの接種が全国的に開始されていますが、がん患者さんはどのように対応すればよいのでしょうか。まだ、データや化学的知見に乏しいためガイドラインなどは存在していません。

厚生労働省はがん患者さん（特に治療中）を優先接種グループに含めており米国、英国でも同様です。一般にワクチン接種による発症や重症化の予防といった利益が発熱などの副反応による不利益を上回ると思われています。主治医からよく説明を聞いて前向きに検討していだければと思います。

がん治療の内容は手術、放射線、薬物療法など様々ですがいずれも接種は前向きに検討すべきと考えられています。接種時期に関する明確なデータはありません。治療の副作用とワクチン接種の副反応の鑑別がむずかしくなることがありますので接種のタイミングは主治医と相談してください。

がん関連3学会（日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会）から新型コロナウィルスワクチンに関するQ&A（https://www.jsmo.or.jp/news/coronavirus-information/qa_vaccinel_3gakkai.html）が作成されていますので参考にしてみてください。