今回、兵庫県内で初の冠微小循環障害を測定できる機器が導入されましたので、ご紹介いたします。
循環器領域で胸部不快感の原因となるものとしては、狭心症や心筋梗塞が代表的です。私たちはこれまで、冠動脈に狭窄や閉塞病変をさがして、治療を行ってきました。
多くの方は冠動脈病変を治療させていただき、症状が改善されました。ただ、一部では、胸部症状の原因がはっきりしなかったり、冠動脈へ治療を受けていただいたのに、胸部の不快感が残ってしまう方もおられます。そしてそれらは、シンドロームXや心臓神経症と呼ばれていましたが、近年、造影検査では評価することのできない冠動脈の微小循環障害が影響しているということがわかってきており、非閉塞性冠動脈疾患(INOCA)として注目されています。
そんな中、当院では、今まではっきりと評価することが困難であった冠動脈の微小循環障害を評価する機器を兵庫県内で初めて導入いたしました。
最新の圧・温度センサーを搭載したワイヤーを使用することで、冠動脈造影検査の後に微小循環障害の評価が短時間で可能となりました。従来の治療と併用していくことで、これまで胸部症状の原因のはっきりしなかった方や、治療を受けていただいたのに胸部症状が残存している方々への適切な治療につながるものと考えます。胸部症状の原因がはっきりせずお悩みの方々も含め、胸部不快感でお困りの方はこの機会に循環器内科まで受診ください。