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消化器のがんに対する腹腔鏡手術について

#低侵襲 #内視鏡 

消化管のがんに対する腹腔鏡による手術のエキスパート

はじめまして、2017年4月から甲南病院で勤務に就いた安田貴志と申します。神戸大学の卒後18年となり、これまで5年間
は兵庫県立がんセンター消化器外科に勤務しておりました。具院長より甲南病院が神戸大学の東の基幹病院となるとの熱い
想いをお聞きし、新風を吹き込む意欲で勤める所存ですのでどうか宜しくお願い申し上げます。以下に私の専門領域につき紹
介をさせて頂きたく存じます。
私は消化管のがんに対する腹腔鏡による手術のエキスパートです。食道と胃を中心に結腸や直腸まで、がんセンターで技術
を練磨してきました。鏡視下手術の利点は低侵襲と拡大視効果による精緻な郭清が可能な点にあると考えます。ただ、慣れが
必要でやや難易度が高いという点があるのも事実です。ご存知のように日本内視鏡外科学会では技術認定制度を設けてお
り、指導の資格に足る技量を持つ術者を技術認定医として定めています。私は胃の領域で技術認定医の資格を有しており、日
本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の胸腔鏡下手術担当医(食道)の資格も有しています。後者の資格保持者は全国で36人の
みです。資格がなければ鏡視下手術をしてはならないということはありませんが、手術の安全性と根治性を維持するにはこの
資格を有するに越したことはありません。

 

得意な疾患と手術

食道がん 胸腔鏡下食道切除術
胃がん(上部) 腹腔鏡下胃全摘術
胃がん(中下部) 腹腔鏡下幽門側胃切除術
結腸がん 腹腔鏡下結腸切除術
直腸がん 腹腔鏡下直腸前方切除術

患者さんの心身に負担なく、侵襲の少ない手術

常にがんに対する根治性の確保と患者さんへの思いやりを心において侵襲の少ない手術を行っています。合併症として最も避けたい縫合不全は、食道切除術で55例中1例(1.8%)、胃切除術で132例中2例(1.5%)、大腸手術では0%と全国のハイボリュームセンターに匹敵あるいは凌駕する短期成績も残すことができました。
食道がんは早期から進行がんまでほぼ全例、胃がんは早期と一部の進行がんまで、結腸直腸はほぼ全例に鏡視下手術を適応します。内科や放射線科とも連携をとり、集学的治療も積極的に実施したいと考えています。私は毎週月曜日に外来を担当しておりますので、どうかいつでも大切な患者さんをご紹介して頂ければ幸いです。私の今まで洗練してきた技術を発揮し、心技一体の外科治療にあたります。
手術は術者を中心としたチームで行う治療です。この甲南病院には技術を認定されたチームが存在します。どうか今後も甲南病院、そして私を宜しくお願い申し上げます。